32.字を書く練習

緑さんは寝たきりで字を書く習慣が恐らく20年はないと考えます。大変気の毒ですが、相続で自分の名前を書く回数が急増するのは想像出来ます。それで書く練習です。寝たきりで書くのはバインダーに紙を挟んで仰向けでしたという形になります。時間がかかります。長い間字を書かないとこうも大変なのかと驚きました。この当時は用事があって週に3日以上伺っていました。毎回自分の名前を書いていただきました。大変苦痛表情でした。しかし強い意志も感じ取れました。4年後、亡くなる2ヶ月前は書類にお願いしたところ「もう書けません」とおっしゃりました。先方に事情を説明して私が代筆しました。老いが急に訪れてきました。向き合っていかなければならないです。寄り添っていきます。

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