88.寄り添う

緑さんの居室で毎日、何をしているのか?との質問に、緑さんの背中をさすったり腕をゆっくりと静かになでたりしていました。と答えました。身体の衰えは日々進行していくのがハッキリわかります。言葉も少なくなりました。もう自分の名前を書くことはできないでしょう。しんせきだからさすっておれます。何故か、私が緑さんの亡くなった豊子ちゃんの代りにさすっているようにも思えました。死に対する恐怖を感じておられるのがなんとなく分かります。手のひらからぬくもりが伝わります。これしか緑さんの為にする事が有りませんが必ず気持ちは通じています。私は側にいて寄り添っていることを。考えて手のひらでさすって寄り添うことを考えました。テレビでアフガン?で亡くなったカメラマンの奥さんに長女が背中、腕をさすっているのを見てなるほどと思いつき参考にさせて頂きました。寄り添うとは何でしょうか?食べ物そして水分も段々と求めなくなるのですね。逃げなんで向き合っていかねばなりません。私の役目です。